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平成29年度下関市男女共同参画意識啓発事業 横山眞佐子講演会を開催しました。

公開日:2017年12月25日


横山氏

下関市男女共同参画意識啓発事業「横山眞佐子講演会」を行ないました。
多くのみなさまにご参加いただき、ありがとうございました。

【タイトル】好きを大切に生きる
【開催日時・場所】  
平成29年11月3日(金)  午後2時~午後4時  下関市民会館
【講師】 横山 眞佐子氏 こどもの本専門店 (株)こどもの広場 代表

 

横山氏のお話から

今、小学校や中学校に行って「選書会」という大好きな仕事をしています。学校の図書室に入れる本を子ども達が選ぶ会です。
下関に住んでいらっしゃる吉岡一生さんという素敵なカメラマンさんが写真を撮ってくださった何千枚のなかから、選んだ写真を一緒に観てください。
選書会のはじめに、本と子どもを結びつけるために本の話「ブックトーク」をします。
(写真:夢中になっている子ども)うれしそうに聴いています。本の向こうの世界に行っているから。心がすごくやわらかいですよね。本を読むということは、人と本の1対1の時間でもあります。
(写真:満面の笑顔の子ども)子どもが笑うってうれしいですよね。笑う子どもがいない社会は、ダメです。
(写真:日に焼けた男の子)大リーグの本を読んでいます。一生懸命。スポーツ少年は、本を読まないって言われたりします。でも、本を読むっていうことは、考えるということ。なにをしようが、考えるための道筋を持っていないと先へは進めません。

子ども達には、表紙をちゃんと見なさいと言っています。表紙に秘密が隠されています。真剣な顔。美しいでしょう。笑う時は、隣の人と共鳴しながら笑います。真剣な時は、自分ひとりのなかに、その気持ちをぎゅっと閉じ込めます。
というわけで、20年近く続けさせていただいている選書会です。
なぜこれをしたいかというと、子ども時代にどんなことに出合ったかによって、大人になってから自分の好きなことをしたり、生き方を決めたりする時に支えになるんじゃないかなと思っているからです。

私は、下関生まれ、下関育ち。離婚してから1歳と3歳の子どもを連れて下関に戻ってきました。この時、本当に困りました。働いたことがなかったから、何をしたらいいかわからない。何の資格もない。親の離婚というのは、子どもにとって青天の霹靂ですよね。事情はわからない。子どもには、どうしようもない。みんなそうですけど、生まれるとき、親を選べません。その親が別れる。申し訳ないと思いました。
しかも、職もない。どうやって食べていくんだ。どうせなら子どもたちが旅立った後も、自分の子どもだけではなく、ほかの子ども達をサポートできる仕事がしたいなと、ふと思ったんです。

何ができるかと考えていた時、たまたま新聞で児童書専門店を始めたという記事を見つけたんですね。たった5坪のお店を始めた男性は、私と同い年でした。
娘の幼稚園への行き返りの道に、盆栽屋さんがありました。どう見ても5坪くらい。「いいなぁ、この5坪。本屋さんにぴったり」と思うわけです。1か月もしないうち、貸し店舗になっていました。何にも計画はありません。本屋のこと、何も知りません。手に持っていた5千円を出して、大家さんに「手付金です」ってかっこいいこと言ったんですね。
それから、一番大変で、一番頭に来たのは、お金を借りる時の出来事。銀行に融資の相談に行くと、「ご主人は?」と聞かれました。「いません」と答えると「お父さんは?」とまた聞かれました。40年近く前のことです。女の人って、仕事をするのはすごく大変なんだな、と思いました。

でも、多くの人の手助けのおかげで、最初は本が少なくてパタパタ倒れるようなお店だったのに、10年後には本の置き場がなくなるくらい手狭になりました。知り合った人のひとりが、今の30坪の場所を教えてくれ、別の人は、株式会社にすればいいよと教えてくれました。ひとり5万円ずつ出してくれました。「絶対、戻ってこないお金だよ。いいの?」と言う私に、それでも玄関先に置いて行ってくれる人たちのおかげでお金は集まりました。

私の「好き」というのは、選書会のスライドを見ていただいてもわかると思うんですけど、一緒に楽しんでくれる先生がいる、手助けをしてくれる人たちがいる、そういう「人が関わる」ということで自分の「好き」が創られていったんだなと思っています。

ブックトーク
『ラスト ラン』角野栄子 KADOKAWA

母が数年前から認知症になりました。言葉と気持ちが別々になっています。言葉で意思を伝えるというのは、あるところからは不必要になってくるわけです。言葉が表すものではなくて、言葉のなかにある感情とか気持ちとかそういうものを自分の言葉にしているような気がします。
私の名前は思い出してもらえないけど、会いに行くとすごくうれしそうにして、ものすごくいろいろ喋ります。もう本当に脈絡はなく、でも喋っているということ、誰かが聴いていてくれるという喜びは声にあふれているわけです。
人は獲得していったもののうち、次第次第にいらないものをそぎ落としていって最後は丸裸になってしまうんだな、と思います。今、元気なうちに何か自分ができることをして、誰かが「あぁ、今日あの人に会ってよかったな」とか、その人がいなくなった後に「あの人、こんなこと言ってたな」と思い返すような出会いがあったらいいなぁと思っています。

《朗読》『わすれられない おくりもの』 スーザン・バーレイ さく・え

人が遺せることは、思い出だけはないですよね。その人の知恵とか、その人がどんな風に自分に寄り添ってくれたかということが生きていく時に励みになり、喜びになるということをこの本は伝えているような気がします。
私達は、どんなに歳をとっても、そばにいる人に何か手渡すことができるんじゃないかと思っています。私は、本を子どもに手渡すというこの大好きな仕事を続けていきたいと願っています。

講演会

受講者の声

※原文のまま

  • 本の魅力を引き出す導入、話し方が素晴らしく時間経過を忘れるほど。私も娘がいますが、娘が好きなものや忘れられないものを一緒に見つけてあげようと思わされました。
  • 「好き」を仕事にする事の行動力に驚かされました。
    今40代に入った私は今後の人生について考えることが多々あります。もっと自分の「好き」をつきつめて人生を豊かにしたい、周囲も幸せにしたいと思いました。
  • 76才になりました。今元気です。本を読む ろう読会がほしい。
    時間を大切に熟読したい。本を読む楽しみ幸せを感じた。すばらしい生き方ができそう。ありがとうございました。

     

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