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ページID:0103577 更新日:2024年1月8日更新 印刷ページ表示

開館40周年記念特別展「狩野芳崖、継がれる想い―悲母観音からはじまる物語」

展覧会について

近代日本美術の胎動期に活躍した狩野芳崖(1828‒1888)が、最期に手掛けた作品《悲母観音》。本展覧会では、この悲母観音からはじまる物語を紡いでいきます。
物語のはじめに、狩野芳崖の最初期の作品から晩年の作品までを展観します。第一篇では《悲母観音》を起点とした物語―山田敬中や菱田春草にみる東京美術学校での制作作品、そして芳崖四天王に数えられる岡倉秋水と高屋肖哲の悲母観音研究や狩野芳崖作品の模写などをご紹介します。第二篇では、もうひとつの代表作《仁王捉鬼図》や芳崖晩年の仏教画題作品とともに、現代美術の中に息づく芳崖もご覧いただきます。
芳崖の模倣作やそこからインスピレーションを受けた作品たちを通して、改めて芳崖の近現代美術への影響について考えます。

物語のはじまり

今や近代日本画の先駆者または父という二つ名を得た芳崖ですが、彼のそれまでの画作はどのようなものがあるのでしょうか。父について手習いをしていた十代の作品や江戸での修行を経て御用絵師として活動していたときの仕事、藩禄を失い辛酸を舐めた時代の作品、再上京後の50代の作品と、彼の生涯をたどるように展観します。                                   

狩野芳崖《八臂弁財天図》山口県立美術館蔵狩野芳崖《懸崖山水図》下関市立美術館蔵狩野芳崖《柳下鍾馗図》下関市立美術館蔵   

作品画像:(左から)狩野芳崖《八臂弁財天図》山口県立美術館蔵、狩野芳崖《懸崖山水図》下関市立美術館蔵、狩野芳崖《柳下鍾馗図》下関市立美術館蔵

第一篇 悲母観音からはじまる物語

《悲母観音》(1888年、東京藝術大学蔵)のイメージは、近代日本画の幕開けという記念碑的な要素のみならず、日本の近代の幕開けそのものをも示すイメージとして成立しているように思います。そのようなイメージも相まって、本作品は今もなお多くの人の心を惹きつけてやみません。

狩野芳崖《悲母観音》より部分 1888年 東京藝術大学蔵 重要文化財狩野芳崖《悲母観音》1888年、東京藝術大学蔵、重要文化財二代川島甚兵衞《悲母観音図綴織額》1895年、東京国立博物館蔵菱田春草《水鏡》1897年、東京藝術大学蔵

作品画像:(左から)狩野芳崖《悲母観音》より部分 1888年 東京藝術大学蔵 重要文化財、狩野芳崖《悲母観音》 1888年 東京藝術大学蔵 重要文化財、二代川島甚兵衞《悲母観音図綴織額》1895年 Image: TNM Image Archives、菱田春草《水鏡》1897年 東京藝術大学蔵

第二篇 仁王捉鬼図からはじまる物語

芳崖晩年に描かれた作品のひとつ《仁王捉鬼図》(1886年、東京国立近代美術館蔵)は、長らく個人の所蔵だったこともあり、悲母観音のように多くの模作や関連作が制作されてきた軌跡をたどることはできませんが、近年、二人の日本画家が本作品と向き合っています。四宮義俊は2014年から断続的に展開した「ソッキ」シリーズを発表し、自身の思いを明治時代の代表作を引用することで強いメッセージとして発信しました。また。坂本英駿は芳崖の画技に対する考え方を研究し《孔雀》シリーズを生み出しました。二人を紡ぐ物語が、芳崖ゆかりの地である下関で巡り合います。

狩野芳崖《仁王鬼図》1886年、東京国立近代美術館蔵四宮義俊《SOKKI-プラスティックドール・浮遊》2017年、作家蔵  ©SHINOMIYA YOSHITOHI坂本英駿《孔雀》2019年、作家蔵

作品画像:(左から)狩野芳崖《仁王捉鬼図》1886年 東京国立近代美術館蔵、四宮義俊《SOKKI_プラスティックドール・浮遊》2017年 作家蔵、坂本英駿《孔雀》2019年 作家蔵

展覧会リーフレット[PDFファイル/2.53MB]
作品リスト [PDFファイル/1008KB]

展覧会図録販売中

狩野芳崖展図録価格 2,500円(税込み)
判型・ページ数 B5判・160ページ
内容
作品カラー図版115点
解説、論文・資料等
「悲母観音図」をめぐって(木本信昭)、仁王捉鬼図と西洋顔料(姜知潤、渡邉祐子)、四宮義俊インタビュー、芳崖を継承する、その想い(坂本英駿)、悲母観音受容史(関根佳織)、《仁王捉鬼図》考(中谷有里)

展覧会概要​

展覧会名 開館40周年記念特別展
「狩野芳崖、継がれる想い――悲母観音からはじまる物語」
会期 2024年2月6日(火曜日)~3月17日(日曜日)
開館時間 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日(振替休日の2月12日は開館)
会場 下関市立美術館
観覧料 一般1,200円(1,000円)/大学生1,000円(800円)
※()内は、平日料金。
18歳以下の方、高等学校、中等教育学校、特別支援学校に在学の生徒は、観覧料が免除されます。下関市内に居住する65歳以上の方は半額が免除されます。(いずれも公的証明書の提示が必要です)
観覧料減免の詳細については、こちらをご覧ください。
主催 下関市立美術館  毎日新聞社 tysテレビ山口
特別協力 国立文化財機構文化財活用センター 東京国立博物館
助成 一般財団法人自治総合センター
協賛 川島織物文化館 やまぐち文化プログラム

やまぐち文化プログラムコミュニティ助成事業<外部リンク>
本展は、国立博物館収蔵品貸与促進事業の支援を受けています。また宝くじの社会貢献広報事業として宝くじの受託事業収入を財源として実施しているコミュニティ助成事業により、宝くじの助成金で実施するものです。

特別展の関連催事

  1. アーティスト・トーク
    日時・アーティスト 2月11日(日曜日)14時~・四宮義俊(日本画家)
    2月24日(土曜日)14時~・坂本英駿(日本画家)
    場所 1階講堂および展示室(講堂にお集まりください)
    定員 50名
  2.  ​担当学芸員による美術講座
     
    日時・内容 2月18日(日曜日)14時~・第1回 狩野芳崖について
    3月10日(日曜日)14時~・第2回 狩野芳崖の弟子たちについて
    場所 1階講堂
    定員 50名
  3. スライドトーク(すわって展示解説)
     
    日時 2月13日(火曜日)、17日(土曜日)、27日(火曜日)、3月9日(土曜日) 各日10時~(約30分)
    場所 1階講堂
    定員 50名
  4. ギャラリートーク(まわって展示解説)
     
    日時 2月13日(火曜日)、17日(土曜日)、27日(火曜日)、3月9日(土曜日) 各日14時~(約1時間)
    場所 展示会場(2階展示ホールにお集まりください)
  5. 造形教室 芳崖筆法講座 
     
    日時 2月25日(日曜日)13時~(約3時間)
    場所 造形室
    講師 坂本英駿
    参加費 2,000円
    定員 15名(先着順)
    応募方法

    定員に達したため、締め切りました

  6. 歴史×エンターテイメント 狩野芳崖コンサートin蛍遊苑 
     
    日時 3月3日(日曜日)14時開演(開場13時30分~)
    場所 蛍遊苑
    参加費 1,000円
    定員 100名(先着順)
    応募方法

    定員に達したため、締め切りました

    ・ご好評につき、3月10日(日曜日)蛍遊苑にて追加のコンサートが企画されています。
     詳細・ご予約は以下にお問い合わせをお願いいたします。
     企画・チケットご予約:関門エンターテイメント TEL.080-1740-9243

    狩野芳崖コンサートチラシ [PDFファイル/305KB]
    イベントカレンダーはこちらから [PDFファイル/445KB]
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