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「赤間神宮水天門及び回廊」が国の登録有形文化財(建造物)になります
平成30年7月20日(金曜日)に開催された国の文化審議会において、市内阿弥陀寺町に所在する「赤間神宮水天門及び回廊」を登録有形文化財(建造物)として登録するよう答申がなされました。
赤間神宮水天門及び回廊の概要
水天門 鉄筋コンクリート造2階建、銅板葺、建築面積77平方メートル
回廊 木造、銅板葺、建築面積25平方メートル
建築年代 昭和32年(1957)
特徴・評価
特徴
壇ノ浦を望む竜宮造(りゅうぐうづくり)の楼門。
屋根の大棟両端に鴟尾(しび)を飾り、門の両脇に回廊が延びる。
鉄筋コンクリート造で上層の軸部などを木造とする。
腰組に人字型割束を配するなど、古典的意匠でまとめる。
評価
「特異な形式と鮮やかな色調で、関門海峡のシンボルとなっている」点が評価されました。
このように、地域のシンボルで広く親しまれているものや絵画などの芸術作品に表れるものなどは、登録の基準のうち、「国土の歴史的景観に寄与するもの」に該当します。
また、神社建築の第一人者である角南隆(すなみ たかし)が監修し、黒木利三郎(くろき りさぶろう)が設計しました。
施工には、津屋崎(福岡県福津市)在住の中村時次郎(なかむら ときじろう)が携わりました。
水天門が竜宮造であるのは、平家物語に出てくる安徳天皇と二位尼が住む竜宮城に基づいています。
竜宮造は、社寺建築の門の形式のひとつで、上層を丹や群青で彩色する、もしくは木造のままとするのに対し、下層は漆喰塗とし、通路部分をアーチ型にするものです。
水天門では、下層は鉄筋コンクリートの上に白い塗料が塗られています。
水天門から関門海峡を見渡した時、平家物語の一節を追体験できるのではないでしょうか。
この赤間神宮水天門及び回廊を含めた下関市内の国登録有形文化財(建造物)の件数は、35件となります。