本文
平成26年度から適用される市・県民税(個人住民税)の主な改正点について
市・県民税(個人住民税)均等割税率の改正(平成26年度から平成35年度まで)
東日本大震災からの復興を図ることを目的として、東日本大震災復興基本法(平成23年法律第76号)第2条に定める基本理念に基づき、平成23年度から平成27年度までの間に実施する施策のうち、地方公共団体が実施する防災のための事業に対する費用の財源を確保するため、平成26年度から平成35年度までの期間に限り、個人市・県民税の均等割の標準税率が引き上げとなります。(東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律)
均等割 |
現行(平成25年度まで) |
特例期間(平成26年度から平成35年度まで) |
---|---|---|
県民税 |
1,500円 |
2,000円 |
市民税 | 3,000円 | 3,500円 |
合計 | 4,500円 | 5,500円 |
※県民税均等割額には、「やまぐち森林づくり県民税(500円)」が含まれています
給与所得控除の改正(給与所得控除の上限設定)
給与収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額について、245万円の上限が設けられました。
給与所得控除額(給与収入金額が1,000万円超の場合)
給与収入 | 給与所得控除額 | |
---|---|---|
改定前 | 改定後 | |
1,000万円超~1,500万円以下 | 給与収入金額×5%+170万円 |
給与収入金額×5%+170万円 |
1,500万円超 |
245万円 |
公的年金所得者が寡婦(寡夫)控除を受けようとする場合の市・県民税(個人住民税)申告手続きの簡素化
公的年金等に係る所得以外の所得を有しなかった者が、寡婦(寡夫)控除を受けようとする場合の市・県民税の申告書の提出を不要とすることとされました。
※年金保険者に提出する扶養控除申告書に「寡婦(寡夫)」の記載を忘れたり、扶養控除申告書を提出しなかった方は、「寡婦(寡夫)」控除が適用されません。控除の適用にあたっては、確定申告または市・県民税の申告が必要となります
改正の背景
- 平成23年度税制改正で、所得税において年金受給者に係る源泉徴収税額の計算で控除の対象とされる人的控除の範囲に寡婦(寡夫)控除が加えられました。
- 年金所得者が年金保険者(特別徴収義務者)に提出する扶養控除申告書に「寡婦(寡夫)」の記載が追加されました。
- 年金保険者(特別徴収義務者)が市町村に提出する公的年金支払報告書に新たに「寡婦(寡夫)」の項目が追加されました。
ふるさと寄附金に係る寄付金税額控除の見直し(平成26年度から平成50年度まで)
平成25年分の所得税から適用される復興特別所得税(所得税額の2.1%相当額)が課税されることに伴い、所得税において寄附金控除の適用を受けた場合、所得税額を課税標準とする復興特別所得税額も軽減され控除額が増加し、「ふるさと寄附金」に係る市・県民税の特別控除額については、復興特別所得税の軽減分だけ調整され控除額が減額されます。
※所得税と住民税の控除額の合計は以前の計算方法で算出した場合と同じになり、全体の控除額に変更はありません
市・県民税における「ふるさと寄附金」の寄附金税額控除額(【A】+【B】)
- 【A】基本控除額=(寄附金額〈※1〉)-2,000円)×10%(※2)(市民税6%・県民税4%)
※1総所得金額等の30%が限度
※2市が条例で指定する寄附金は市民税6%により算出 - 【B】特例控除額(※3)=(寄附金額-2,000円)×(90%-0~40%〈所得税の限界税率〉×1.021)
※3「ふるさと寄附金」にのみ適用され、個人住民税所得割額の1割を限度
所得税の寄附金控除額(【C】+【D】)
- 【C】寄附金控除対象額=(寄附金額-2,000円)×所得税率(0~40%)
- 【D】復興特別所得税控除額=【C】×復興特別所得税率(2.1%)
「ふるさと寄附金」による個人住民税及び所得税からの控除合計額は【A】+【B】+【C】+【D】となります。
※ふるさと寄附金には、地方公共団体(都道府県、市町村)に対する寄附金および東日本大震災の被災地への寄附金、義援金が該当
給与所得者の特定支出控除制度の見直し
特定支出控除を使いやすくする観点から、特定支出の範囲を拡大し、特定支出控除の適用判定の基準が見直されました。
特定支出の範囲の拡大
特定支出の範囲に次に掲げる支出が追加されます。
- 職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者により証明がされた弁護士・公認会計士・税理士・弁理士などの資格取得費
- 職務と関連のある図書や、職場で着用する衣服の購入費及び職務に通常必要な交際費(勤務必要経費)
※その年中に支出した勤務必要経費の合計額が65万円を超える場合は65万円を限度とします
適用判定の基準・計算方法の見直し
適用判定の基準を給与所得控除の2分の1の額に緩和することで、給与所得者の実額控除の機会を拡大します。
その年中の特定支出の額の合計額が、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定める金額を超える場合は、給与所得の金額の計算上、その超える部分の金額を給与所得控除に加算することができることとされます。
1.給与収入≦1,500万円の場合 | 2.給与収入>1,500万円の場合 |
---|---|
特定支出の合計額>給与所得控除額×1/2 ↓ 給与所得控除額=特定支出の合計額+給与所得控除額の1/2相当額 |
特定支出の合計額>125万円 ↓ 給与所得控除額=特定支出の合計額+125万円 |
白色申告者の記帳・帳簿等の保存制度の変更(平成26年1月より開始)
平成26年1月から記帳・帳簿等の保存制度の対象者が拡大されます。
対象者
事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行うすべての方(市・県民税申告の方も対象)
記帳する内容
売り上げなどの収入金額、仕入れやその他の必要経費に関する項目
※記帳にあたっては、ひとつひとつの取引ごとではなく日々の合計金額のみをまとめて記帳するなど、簡易な方法で記載してもよいことになっています
帳簿等の保存
収入金額や必要経費を記載した帳簿のほか、取引に伴って作成した帳簿や受け取った請求書・領収書などの書類を保存する必要があります。
帳簿書類の保存期間
収入金額や必要経費を記載した帳簿(法定帳簿) | 7年保存 |
業務に関して作成した上記以外の帳簿(任意帳簿) | 5年保存 |
決算に関して作成した棚卸表、その他の書類 | 5年保存 |
業務に関して作成し、または受領した請求書、納品書、送り状、領収書等の書類 | 5年保存 |