本文
腸管出血性大腸菌感染症(O-157)を予防しましょう
腸管出血性大腸菌感染症は、年間を通して発生がみられますが、5月から10月の夏期に多く発生します。
大腸菌の仲間ですが、人に下痢などの消化器症状を起こし(病原性大腸菌)、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症(HUS)を起こすものを腸管出血性大腸菌感染症といいます。
感染経路
菌に汚染された飲食物を食べたり、患者の糞便に含まれる大腸菌が直接または間接的に口から入ることによって感染します。
症状
感染後おおよそ3日から8日の潜伏期間の後、頻回の水様性の下痢を起こします。さらに激しい腹痛を伴い、血便となることがあります。
症状の有る者の6%から7%の人が、下痢などの初発症状の数日から2週間以内(多くは5日から7日後)に溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳炎などの重症合併症を発症するといわれています。
※溶血性尿毒症症候群(HUS)
ベロ毒素により腎臓の細胞が傷害されて発症する溶血性貧血・血小板減少・腎機能障害を特徴とする急性腎不全です。主な症状は、顔色が悪い・尿が出にくい・浮腫・意識障害などがみられます。
予防
- 調理前や食事前、トイレの後は、せっけんでよく手を洗いましょう。
- 加熱して調理する食品は、十分に加熱しましょう。
目安は、中心部の温度が75℃で1分以上加熱することです。 - 生肉(牛刺し、ユッケ、レバ刺し等)には注意しましょう。
特に、乳幼児やお年寄りなど抵抗力の弱い人は食べないようにしましょう。 - 焼肉などのとき、生肉を触る箸と食事用の箸は別にしましょう。
- まな板、包丁等の調理器具は、洗剤と流水でよく洗いましょう。
二次感染防止
- 症状がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。
- 患者の便に汚染されたものを処理する場合は、使い捨ての手袋などを使いましょう。
- 患者はできるだけ浴槽につからず、シャワーまたはかけ湯を使いましょう。
- 患者が風呂を使用する場合は、他の家族と一緒にはいることは避け、乳幼児は患者の後に入浴しないように気をつけましょう。
- タオルの共用は避けましょう。
*より詳しく知りたい方は、下記のホームページをご覧ください。