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建築基準法・建築物省エネ法の改正について(令和7年4月施行)
住宅・建築物の省エネ対策を進めるため、令和4年6月17日に「脱炭素社会の実現に役立てるための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」が公布され、令和7年4月1日に全面施行されます。
1.主な改正内容について
(1)省エネ基準への適合義務化
■原則、すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合が義務付けられます。
■建築確認手続きの中で、省エネ基準への適合性審査を行います。
(2)建築確認・検査対象の見直しや、審査省略制度(いわゆる「4号特例」)の縮小
■木造建築物に係る建築確認・検査の対象が広がり、審査省略制度(4号特例)の対象が縮小されます。特に、都市計画区域外(豊北町、豊田町)において、木造2階建ての建築物を建築する場合、新たに建築確認の対象になりましたので、ご注意ください。
■ 確認申請の際に構造・省エネ関連の図書の提出が必要になります。
■ 木造戸建て住宅等の壁量計算等が見直されます。
・建築物の荷重の実態に応じて、算定式により必要壁量を算定
(いわゆる「軽い屋根」「重い屋根」は廃止)
・国は必要壁量を容易に把握できる試算例(早見表)や表計算ツールを整備済
国土交通省ホームページ(外部リンク)
◇脱炭素社会の実現に役立てるための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)について<外部リンク>
・改正建築基準法について<外部リンク>
・改正建築物省エネ法について<外部リンク>
・改正建築物省エネ法・建築基準法等に関する説明動画<外部リンク>
・改正建築物省エネ法・建築基準法等に関する解説資料とQ&A<外部リンク>
・資料ライブラリー<外部リンク>
・オンライン講座<外部リンク>
2.施行日前後における規定の適用について
建築確認・検査の対象となる建築物の規模の見直し等は、施行日(令和7年4月1日)以後に工事に着手するものについて適用されます。
■都市計画区域外において、確認・検査の対象外から新2号になる木造建築物の取扱い
■都市計画区域内において、旧4号から新2号になる木造建築物の取扱い
【注意事項】
1.施行日前後の建築確認・検査の取扱いが変更されます(上図参照)。
2.建築確認を円滑に進めるため、
・上図(4)の場合は建築基準関係規定への適合性について
・上図(10)の場合は構造関係規定等への適合性について
施行日前から建築主事・指定確認検査機関とあらかじめ相談することをご検討ください。
3.上図(11)(12)の場合(防火・準防火地域外の一戸建て住宅を除く)などの消防同意について、施行日前は都市計画区域等の区域内で同意期限が3日以内、都市計画区域等の区域外で消防同意(建築確認)の対象外だったものが、施行日以後は同意期限が7日以内に変更となります。
4.確認申請から確認済証の交付まで一定の審査期間が必要となるため、施行日前に工事に着手する予定の場合は、時間的余裕をもって建築確認申請を行ってください。
5.施行日前に確認済証が交付され、施行日以後に着工するものについては、着工後の計画変更や検査において、構造関係規定等への適合の確認が必要となり、適合の確認ができない場合には、計画変更に係る確認済証や中間検査合格証、検査済証が交付されないため、一定の余裕をもって対応してください。
3.建築物の完了検査について
完了検査において、旧4号建築物は検査の一部が省略されていましたが、新2号建築物に該当するものは、これが廃止され、省エネや構造関係規定を含めたすべての建築基準関係規定に適合するかを検査することになります。
対象建築物の工事が、確認に要した図書のとおりに実施されたものであるか確かめるため、各種の検査結果報告書、工事写真等の確認を行う書類検査、及び目視、簡易な計測機器等による測定、または建築物の部分の動作確認等が行われるため、不足書類が無いよう注意してください。
必要書類等は次のURLのマニュアル等をご参照ください。
【建築基準法】軸組構法の確認申請・審査マニュアル(2024年11月 第3版)<外部リンク>
「省エネ基準適合義務対象建築物に係る完了検査の手引き(令和7年4月版)」<外部リンク>
4.建築士サポート体制について
改正法の施行に伴い確認申請書に添付する図書が大幅に増加します。国土交通省の事業により、建築士が申請図書を作成する場合に、必要な図書の有無や記載事項の過不足を予め相談できる窓口が(一社)山口県建築士会において開設されています。
詳細は、次のURLの(一社)山口県建築士会HPをご覧ください。