本文
皆さんは糖尿病を正しく理解していますか?
社会の中には、「糖尿病のある人は自己管理ができない人」という誤ったイメージが根強く残っています。しかし実際には、遺伝的要因や加齢、生活環境などさまざまな要素が関係して発症する病気です。
また、治療面でも食事療法や運動療法といった治療が面倒であるという認識を持たれたり、インスリン使用に対する抵抗感、理解不足などがあります。このような偏見や誤解は、「スティグマ(偏見による差別)」と呼ばれ、就労、学業、社会生活において不利益となり、糖尿病のある人にとっての精神的健康や社会的関係にも影響を与えることがあります。
糖尿病を正しく知ることは、あなたの健康と糖尿病のある人へのやさしい理解につながります。
糖尿病のある人へのスティグマをなくすためにも、正しく理解しましょう!
糖尿病は、膵臓から出るインスリンというホルモンが十分に働かないために、慢性的に血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。血糖値が高いまま放置してしまうと、失明や腎不全、脚の切断といった合併症につながります。
糖尿病には、大きく分けて4つの種類があります。
1.1型糖尿病
1型糖尿病は、膵臓からインスリンがほとんど出なくなり、血糖値が高くなります。インスリンがほとんどでなくなるため、注射でインスリンを補う治療を行います。詳しくは表(1型糖尿病と2型糖尿病の違い)をご覧ください。
2.2型糖尿病
2型糖尿病は、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりすることで、血糖値が高くなります。
2型糖尿病になる原因は、生活習慣や体質、遺伝などがあります。
すべての2型糖尿病がある人に生活習慣の問題がある訳ではありませんが、血糖管理をするためには、食事・運動療法が重要です。飲み薬や、場合によってはインスリン注射も使用します。
詳しくは表(1型糖尿病と2型糖尿病の違い)をご覧ください。
| 1型糖尿病 | 2型糖尿病 | |
|---|---|---|
| 感染症などが原因で、膵臓からインスリンがほとんど出てこなくなり、血糖値が高くなる |
原因 |
生活習慣や体質により、インスリンが出にくくなったり、効きにくくなったりすることで血糖値が高くなる |
| 口渇・多飲・多尿などの症状が現れてから糖尿病となる | 症状 | 症状が現れないこともあり、気付かないうちに進行する |
|
若年に多い(ただし何歳でも発症する) |
発症 |
中高年に多い |
| 痩せ型が多い | 体型 | 肥満の人も多いが痩せ型もいる |
| インスリンの注射 | 治療 | 食事療法・運動療法、飲み薬など (場合によってはインスリン注射なども行う) |
参考:厚生労働省ホームページ「みんなで知ろう! からだのこと 第4回 糖尿病ってなぁに?」
3.その他特定の機序、疾患によるもの
糖尿病以外の病気や治療薬などの影響で血糖値が高くなります。
4.妊娠糖尿病
妊娠糖尿病とは、妊娠中に発見された糖尿病のことをいいます。主な原因は、妊娠中に分泌されるホルモンが原因でインスリンの働きが低下することで血糖が高くなります。多くの場合、高い血糖値は出産後に戻ると言われています。
このように、糖尿病には、様々な種類・原因があり、誰にでも起こりうるものですが、適切な治療やセルフケアによって、仕事・学業など自分らしい生活を続けることができます。
これまでに紹介した4つの糖尿病の中でも、予防・改善が見込まれる2型糖尿病について紹介します。
2型糖尿病を予防するためには、食事や運動が重要です。
食事は、バランスの良い食事を心がけましょう。野菜、果物、魚、豆類などを中心とした食事を心がけ、糖分や脂肪分の多い食品を控えめにしましょう。1日3食規則正しく食べることや、間食は、「甘すぎない低糖質のものを選ぶ」、「小袋のものを選び食べ過ぎないようにする」など工夫することが大切です。
運動は、継続することが重要です。運動をやめてしまうとその効果は3日程度で失われます。糖尿病予防のためには、有酸素運動と筋トレを組み合わせると効果的です。最初は軽い運動からはじめ、無理のないペースで継続して行いましょう。
また、年に1回は健診を受けることで、早期発見に努めましょう!
下関市糖尿病対策推進会議(※)では、糖尿病に関する正しい知識を啓発する教室を開催しています。
※下関市糖尿病対策推進会議とは、下関市医師会、下関市歯科医師会、下関市薬剤師会、山口県栄養士会下関地域事業推進委員会、下関市保険年金課・健康推進課の6つの団体で構成され、糖尿病の啓発などを相互の協力により実践し、下関市における糖尿病対策を推進することを目的とした会です。
下関市糖尿病対策推進会議では、令和7年度まで市民を対象とした糖尿病教室等を通じた啓発により、市民が糖尿病合併症のために生活の質を阻害されたり、失職することがないよう糖尿病の発症予防に取り組んできました。
この取り組みをさらに進めるためには、社会全体での理解が不可欠であることから、企業向けの啓発として、「糖尿病のある人に理解ある企業」認定制度を新たに設け、令和8年度から取り組む企業を支援します。
糖尿病に関する情報を紹介しています。